公開講座

頌栄の森~教員のひとり言~

頌栄短期大学の専任教員がひとり言をつぶやくコーナーです。お気軽にご覧ください。

2018年2月は、山中 早苗先生のひとり言です。

実習の経験を分かち合う

 頌栄では1月中旬から2月のはじめにかけて、保育科1年生が初めての学外実習である「保育実習Ⅰ」に参加します。この実習はちょうど、私が担当した保育内容「人間関係Ⅱ」の授業に重なっていました。

 保育内容「人間関係Ⅱ」の授業は、0歳児から5歳児の人間関係の発達に関する知識をもとに、人とのかかわりを楽しむ遊びを計画し、実践する力を身に付けることが目標の一つになっていました。授業のなかで乳幼児期の人間関係の発達や保育者として必要な援助を学んでからの実習とはいえ、「保育実習Ⅰ」は多くの学生にとって、初めて子どもたちと直接かかわる実習です。そのため、実習前は「子どもと一緒に遊べる!」「子どもとたくさん話したい!」という楽しみな気持ちにくわえ、「人見知りの子どもに泣かれたらどうしよう・・・」「けんかになったらどうしたらいいの・・・」という不安な気持ちも大きい様子でした。

 そこで、実習直前の「人間関係Ⅱ」の授業で、『実習中に子どもとかかわるなかで、一番心に残った出来事を書いてきてね』と小さな宿題を課しました。人間関係や人とかかわる力の育ちは、目で見て捉えることが非常に難しいものです。実習をとおして子どもの発達の実際を知るだけでなく、子どもとかかわるなかでの驚きや感動をしっかり心にとどめてほしい・・・。初めて子どもと身近に接する実習だからこそ、今現在一人ひとりがもつ「子どもとかかわろうとする力」、「子どもを感じとろうとする心」をしっかり振り返ってほしいと考えました。

 それぞれが記した心に残った子どもとのかかわりは、実習から戻ってきてすぐの授業のなかで小グループに分かれて共有しました。印象に残った出来事を記した用紙を前に自分の経験を伝える学生も、それを聞いている学生も、明るく穏やかな表情をしていました。たくさんの笑顔も見られました。そんな明るい笑顔を見て、「実習でたくさんの素敵な出会いと学びがあったんだろうな」と嬉しい気持ちになりました。

 実習ではきっと、自分の力が足りないと感じ、つらかったこともあったと思います(ウン十年前に実習を経験した私がそうだったように・・・)。それでもみんなの笑顔を見ていると、子どもとの楽しい経験に支えられた自信と、たとえ苦しいことに直面してもそれを力にかえていくパワーを感じました。